軌跡の先で…
□1.旧校舎のディアボロス
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life.1 人間、やめてました。
兵藤昴は最近気配が変わった弟の一誠の事を気にしながら自宅の庭で木刀を振っていた。
事の始まりは一誠が彼女である"天野夕麻"とデートに行った次の日である。
いつ帰ったのかわからない上に前の人違う気配をさせた弟に驚きを表に出さないようにしながら学業に励んでいたが1限目が終わった直後に一誠が昴の教室にやってきて突然変なことを聞いてきたのだ。
一誠「姉貴っ、姉貴は夕麻ちゃんのこと知っているよな!!」
少々驚いたがもちろん肯定して事情を聞くと仲の良い友人が"天野夕麻"の事を覚えていなかったのだ、会っているはずなのに。
興奮している一誠を宥めてから教室に戻るとクラスメートの女子達から心配されたが適当に応対しながら別の事を考えていた。
なぜ"天野夕麻"を知る者はその記憶は無く、昴だけが無くさなかったのかを…
兵藤母「スバルー、もう時間だからシャワー浴びなさい」
『(もうそんな時間か)わかったわ母さん』
母から時間を知らされたため鍛錬を終えシャワーを浴び、自分の部屋に戻り制服に着替えてから朝食をとる。
『じゃあもう行くわね』
兵藤母「行ってらっしゃいスバル」
いつものようにヴァイオリンケースと木刀の入った竹刀袋を持って家を出た。
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