軌跡の先で…

□1.旧校舎のディアボロス
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朱乃「知っていますが断る理由を知りたくてこうして話題に出しているじゃありませんか」


相変わらずのニコニコした表情を崩さずに朱乃はそう言い切った。
以前から尋ねているが昴は断る理由を決して話さない。

だがなぜか気になるため朱乃は諦めずに尋ね続けている、いつか話してくれると信じて・・・


『何度聞かれましても答えられません、私自身の問題だしね

朱乃「?、何か言われました?」

『・・・いえ別に、では私はこれで失礼します』


これ以上追求されないように昴は朱乃から逃げるように屋上から去っていった。



朱乃side

朱乃「はぁ〜、また逃げられましたわ」


昴が屋上から姿を消した直後、朱乃はそうこぼした。
朱乃がなぜ昴によく接触しているのかには理由があった。

それは昴が育ての親に雰囲気が似ているような気がしたからである。

偶然にも見てしまったのだ、育ての親が振るう剣術を未熟ながら振るう昴の姿を・・・


それ以来昴を密かに観察するようになった。
観察していく内に彼女の仕草や人への接し方が育ての親に似ていることに気づいてしまってからは"話したい"と思うようになった。

今の昴との関係はその結果によるものである。


制服のポケットから写真を取り出し見つめる。


朱乃「・・・・会いたいわルドナー、リオ姉様、フェリ姉様」


そこにはまだ母が生きている頃の幼い自分と胸に抱いた黒い犬、その隣に髪をポニーテールで纏めている金髪の女性、そして反対側にダークブラウンの髪をした長身の女性が写っていた。

朱乃side.end



帰宅した昴は彼女ができたらしい弟の自慢話をスルーしつつ今度の休みの鍛錬のメニューを考えていた。

一誠「姉貴!!、本当に彼女ができたんだって!!」

『はいはいわかったから。
私に構っている暇があるんならデートプランでも考えなさい』

一誠「そうだった!!
あっデート成功したら紹介するから覚えとけよ!」

『わかったわよ、そうだイッセー』

一誠「?、何だよ?」

『・・・・頑張りなさい』

一誠「!、っああ!!
姉貴ありがとな!!」


双子の姉のエールを聞き自分の部屋に勢い良く戻っていく弟の姿を昴は優しく見守るのだった。




そしてデート明けの日から平和な日常が終わりを告げる・・・・



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