いつかまた…

□16話
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出雲荘を勢いよく飛び出した司信は焔と皆人達がいるであろうビルの屋上へ焔の"匂い"を辿りながら向かっていた。
それと同時に焔が限界に近づいていることを認識することができた。

『(焔っ大丈夫だろうな。
もし自殺しようものなら…、絶対殴る(怒))』

速度を微塵も緩めずに物騒なことを考えていた。
それほど焔のことが心配なのだろう。

なぜこれほど焔を心配しているのかというとちゃんと理由があった。
今現在焔の能力が安定していないということは己の力をコントロールできないということに他ならなかった。
それは司信のイフリートの暴走状態と同じなのである。

いつか己の熱で溶けてしまうかもしれないという恐怖、それを誰よりも知っている司信は焔の能力の暴走を誰よりも恐れていた。
かつての自分と重ねていることは重々承知しているが焔を自分のようになってほしくない気持ちは本心からである。

ゆえに急ぐ、一刻も早く、無事であることを祈りながら。




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