RKRN短編&SS&シリーズ

□仲直りの口付け
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『ハチ!!』

「なんだよ!!…」

『…ごめんなさい』

「謝ってすむことか…男と一緒に町なんか行って」

ハチは今にも綾を叩きそうになる、が止める。

『…理由があるの…』

「聞かねぇよ…そんなもん」

綾に背を向けて歩き出す。

―ぎゅ

綾はハチの背中に抱きついた。

『聞いてッ…ハチ』

急な行動にハチは戸惑う。

「!!…ッ」

―なんだよ、俺の機嫌取りか?

『あたし達くノ一は上級生になると…房中術があるの…』

ハチに抱きつく力が強くなった。

「・・・」

『それで…男を騙す練習で…昨日は町で男と歩いてた』

ハチは綾の腕を解いた。

「それは授業の一環なんだな?…決して他の男に移り変わった訳じゃないんだな!」

綾を見やると綾は涙を浮かべた。

『絶対、そんなのあり得ないよ…ハチしかあたしは――』

―ぎゅ

「俺も理由も聞かず綾を攻めた、ごめん。俺、綾の事になると冷静になれないんだ…」

『…いいよ、もっとあたしを求めていいから――』

綾は抱きしめ返した。

「じゃ、仲直りに…綾から口付けして」

『!!…うん』

綾はハチの首に腕を回すと自分から口付けた。

深く、何度も。





仲直りの口付け


2011.8.8

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