RKRN短編&SS&シリーズ

□全てお見通し
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くノ一実習の時間
綾は少し足を怪我してしまった。
実習内容は敵の忍者から逃げ切ること。
敵は忍たまの六年、合同実習なのだ。

『これじゃ、捕まってしまう…早くくノたま教室に辿り着かないと』

綾は気配を警戒し木を飛び移る。

『!!…忍たま…』

―ヤバい、見つかって捕まったら…失格だι
ここは町娘に変装して…

―ササッ

綾は町娘に変装した。
忍たまの隣を堂々と歩く、
六年は誰もくノたまとは気付かない。

『…(簡単に騙されてくれてありがとう。忍たま諸君)』

綾は六年に少しお辞儀した。

「あの子…かわいい」

「どこの町の子だろう」

六年はとろんと綾に釘付けだ。



『これで…合格できr―――ッ』

綾は足の痛みにバランスを崩した。






―トン

『・・・???』

誰かに肩を持たれた。

「大丈夫か?」

『!!・・・ッこ――』

そこに居たのは小平太だった。

――駄目駄目ッ!変装してバレてなくても合格はできる。
 ここは町娘のフリして。

『ごめんなさい…バランスを崩してしまいました。助けてくれてありがとう。』

綾は何も無かったかのように歩き出した。

「おい!…」

『ほえ?…うわああ』

小平太は綾を軽々持ち上げると
走り出した。

『離してください!降ろしてください…ッ!!』

綾は暴れる。

「しっかり掴まっとけよ!あと、あんまりしゃべると舌噛むぞ」

『!!・・・・』

綾は黙った。

――でも、どうして…。
  バレてないから良いけど…。

小平太は綾を抱えて忍術学園の医務室に向った。

「よいしょっと…」

『…なんで、あたしをここに?』

綾は小平太を見やる。

「お前、足怪我してるだろ?」

気づかれない様にしていた怪我を小平太に見破られてしまった。

『気づいてたんですか!?…』

――隠してたのに気づくわけないじゃない。ええッ

「気づくも何も…私はお前の恋人だろうが!」

『!!…は、もしかして最初から気づいてたの?』

「うん!」

小平太はニカッと笑う。

『嘘ぉ…最悪ι』

「最悪とはなんだ…!早く手当てしないと菌がまわってしまう」

小平太は綾の足洗いから手当てまで全部してくれた。

「よし!これで大丈夫!」

綾の足にはしっかり包帯が巻かれていた。

『あ、ありがとう…小平太』

「おう!どういたしまして」

今日一番の笑顔を見せた。

『せっかく、バレないで合格貰おうとしたのに…失格だわ』

――変装も見破られるし。

「でも、他の六年は綾のことをわかっていなかったじゃないか!」

『小平太にはあたしの変装がバレバレだったわけだし…』

「それは、綾だから」

小平太は綾を見やる

『あたしだから?』

「綾とはもう3年の恋仲だ、綾の癖や仕草が分からないなんて恋仲の意味がないだろ?だから、綾の全て私は知っている。」

『////……変態』

「変態とはなんだ!身体の全ても知ってるぞ!」

『それが変態だって言ってるの!!////』

綾は叫ぶ。

「まあいい、合格貰いに行ってきな!私は綾を町娘を思っていたフリをするから」

『小平太…ありがとう』

「おう!」

綾は小平太の頬に唇をあてた。

―ちゅ

『足の手当のお礼―――じゃ』

綾はくノ一教室に戻って行った。

「……可愛い奴」




全てお見通し



2011.8.4

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