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□まじめふまじめ
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私が受け持つのは1年生。
部屋には10人程の生徒がいた。
かわいらしい人から怖そうな人まで、色んな人がいる。
落ち着け、私。
同い年なんだから怖くない。
落ち着いて、気合い入れて。



『はじめまして、高崎 結衣です。
 体育実技を受け持ちますのでよろしく。
 早速ですが、出席をとります』

「はいはい!せんせ、質問!」

『あなたは...』



ピンク頭の人が手を挙げる。
名前がわからない。



「志摩 廉造いいます。
 せんせ、いくつ?」

『15です』

「同い年!?若先生とも一緒なんや。
 ところで彼氏はいてはりますのん?」



なんなんだこの人は。
初対面の相手、しかも教師に向かってそんな質問?



『授業に関係ない話は謹んでください。
 では出席をとります』

「ちぇ―」
 


今日は初日なので簡単な体力測定のみ行った。
みんな思った以上に良い。
これから先が楽しみだな。

授業を終えて職員室に戻ろうとしたら、さっきのピンク頭...志摩くんに呼び止められた。



『なんですか?』

「アドレス教えてほしいな思て」

『アドレス?』

「授業でわからへんとこ聞きたいし。
 な?お願いしますわ」

「くぉら!志摩!!何してんねん!!」



志摩くんの後ろからすごい形相の人がやってきた。
確か勝呂くん。
志摩くんを引っ張って行こうとする。



「ぼ、坊...えぇやないですか」

「すんません、先生。
 注意しときますんで」

『はぁ...』

「ほれ、行くで!!」

「殺生やぁ...」



仲良し、なんだろうな。
私は職員室に戻った。




 
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