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□まじめふまじめ
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大丈夫、大丈夫、大丈夫。
いっぱい練習もイメトレもしたんだ。
頑張れ、私。


ここは聖十字学園。
私は今日から塾の先生となる。
塾と言っても一般教養の勉強じゃなく、祓魔師の勉強をする塾だ。
私は祓魔師である。



「結衣さん」

『ひゃぃっ!?』



肩を叩かれ、驚いて変な声が出てしまう。
振り向くと、笑顔の雪ちゃんがいた。



『なんだ、雪ちゃんか。
 驚かせないでよね』

「すいません、つい。
 緊張してるんですか?」

『そりゃね。とっても』



雪ちゃんは私と同い年。
祓魔師としては雪ちゃんが少し先輩だ。
恥ずかしいし悔しいから言えないけど、尊敬してる。



「今から初授業でしたよね?
 失敗談、楽しみにしてます」

『失敗すること前提!?
 絶対しないんだから!!』



一発お見舞いしてやろうとしたらチャイムが鳴った。
先生が遅れたのでは示しがつかない。



『やばっ!じゃあね、雪ちゃん』

「頑張ってくださいね」



私は意を決してドアノブに手を掛けた。
あれ?さっきより緊張してない。
そっか、雪ちゃんと話したからだ。

私は扉を開いた。




 
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