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□気付いて
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京都出張所に配属されたあの日、
私は産まれて初めて一目惚れをした。





付いて





「なんでわからへんねん!この申!!」

「なんやと!?蛇顔が!!」



今日も柔造さんは蝮さんと喧嘩。
今日もって言うか、
喧嘩してない日なんてあるのだろうか。
2人を遠くから見ていると、
廉造くんに声を掛けられた。



「結衣さん、何してはんの?」

『ぼーっとしてる。
 廉造くんはどうしたの?』

「結衣さんがおったから、
 お話しよ思て。
 今日もかいらしね!」

『ふふ、いつもそれだね。
 ありがとう』



廉造くんと話すのは楽しい。
女の子の扱いが上手いんだと思う。
笑顔もかわいいし、
放っておけない弟キャラ、みたいな。



「向こうでお喋りしよや」

『え?あ、うん』



廉造くんに手を引かれ、
その場を後にした。
柔造さんと蝮さんの声は、
まだ続いている。









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