METAL GEAR SOLID

□捕えられた蛇4
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ソコロフが捕まっている西棟渡り廊下の先には2人の衛兵が待ち受けているが
スネークの変装のお陰で2人はすんなりと西棟に潜入する事が出来た。
しかし、そこには先客がいたのかGRUの女が男から何かを受け取ると出て来る
2人はすかさずに端に積んであった箱の物陰に身を隠す、女は気付かなかったのか
振り返る事無くそのまま扉を出て行った。行った事を確認するとスネークは着けていた
ライコフのマスクを外す、敵の顔で会いに行って驚かさないためだろう。ソコロフは
警戒するように見る相手がスネークと気付くと少し緊張が和らいだように見えたが
助けに来たにも関わらずにその表情は晴れる事無く伏せ目がちに苦悶の表情が浮かんでいた。

他に誰か来ないか見張る為扉の横に一等兵は立ち警戒する。2人の話声が聞こうとしなくても
どうしても耳に入って来てしまう、こればっかりは仕方がないだろう。一等兵がどこかの
スパイなら聞かれている事は非常に不味い事だが今はスネークのサポート側なので問題はない筈だ
ソコロフの口から遅すぎたんだと頭を抱えるように弱々しくはなたれる。何も知ってはいけない
何も知らされない一等兵には何の話をしているか分からないが聞こえて来た言葉に耳を傾けた。

「中距離弾道弾射程合成延伸システム。」

核搭載戦車、メタルギアが頭をかすめる。しかし2人は話している専門的な事は理解できなかったが
どこかフィランソロピーが追っているメタルギアとは違うモノのように聞こえる、何か
一昔遅れている性能のような感じを受けるが核が絡んでいるのなら尚の事知らないふりは出来ない
その核がメタルギアにも繋がってしまうからだ。しかし、一等兵はこの任務では一切の観入を
許してはもらえない、あくまで都合のいい協力者でなくてはならない。兵器がばらまかれる前に
この施設ごと破壊してしまえばいいとスネークが諦めていたソコロフに提案する、その問いに
ソコロフは頭を抱える事をやめてどうすればこの巨大な施設を壊す事が出来るかを考える。

「・・・そうだな・・・、ロケットエンジンに使う液体燃料のタンク
あれを爆破する事が出来れば・・・C3爆薬なら格納庫ごと吹っ飛ぶっ。」

「・・・それならC4使った方がいいんじゃないかな?ここは寒冷地だから
ひび割れで脆くなるだろうし。」

思わずついつい口を挟んでしまう、寒冷地で使う爆薬ならC3は適さない筈なのに
なぜそっちを選ぶのかと思うが一等兵を見ている2人はピンとこないような何を言っているのか
飲み込めないような表情で首を傾げた。

「なに言ってるんだ、最先端のプラスティック爆弾だぞ?」

「えっ、そう・・・なの?」

まるで他の何かと勘違いでもしているのではないかとでも言いたそうな口ぶりに一等兵が知っている
C3では無く新たに造り出された高性能な爆薬なのかと考えた。それに科学者であるソコロフが
C4を口にしなかったと言う事はここにC4は置いていなかったのだろう。

「で、どこにある?」

「ここの武器庫に有ったが今は無い、女スパイが盗んだ。」

ソコロフの言葉に先にここから出て行った人物を思い出すとエヴァの事だろうとスネークは
聞いたがそんな名前ではないと首を振った。先程の軍服を着た女はタチアナと言うらしく
ヴォルギンの愛人としてここに潜り込んでいる事を話す、だがスネークの聞いていた情報とは
違ったらしくソコロフの愛人と聞かされていたようだ。タチアナは数週間前から潜り込み
ソコロフから実験データを受け取った。

「必ずシャゴホッドを破壊してくれ、大切な事だ。」

必ず破壊するとスネークは頷いた、しかしその前に任務であるソコロフの保護が先だと話すと
一緒にはいけないとソコロフは首を振った。見捨てられた所に帰ったとしても強制収容所に
送られる事になる、アメリカに逃げたとしてもここでさせられていたように兵器を創る羽目に
なるのだと言った。科学者はどこに行こうと殺戮兵器を政治の為だけに創らされ
ソコロフの夢はただ単純に宇宙ロケットを創っていたかったのに誰の為にもならない
兵器ばかりを毎日毎日つくる事に疲れ切っていた。

「科学者はいつも利用される。」

その言葉に核兵器に関わって来た家系やメタルギアを創りだした事に未だに苦しんでいる
オタコンの事が浮かんだ。だからこそフィランソロピーを結成しメタルギアの撲滅のため
生きている、諦めているように家族を頼むと言ったソコロフは死を覚悟して言っているのだろう。
その時、衛兵が立っていた場所の扉が開く音に3人ははっと気付くと静まり返り
スネークはライコフのマスクを被りそれぞれ距離を取った。
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