もののけ姫

□不易流行
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物知りの少し胡散臭さを見せる風貌のジコ坊と言う男に出会った2人、その男は
里で起きていた小競り合いに巻き込まれ難儀していると突然現れたアシタカの登場に
侍の目的は変えられ襲われるが侍を射抜き混乱させたおりに逃げ切れた、米を買いに1人で店の者と
貨幣でもめている時にアシタカの前に姿を現し余り出回っていない砂金の価値を知らしめて
米を買う事が出来た。なぜかそのまま成り行きでそのジコ坊と野宿を共にした時に
聞かされたシシ神の森の存在を知りその地に向かっていた。

夜明けの朝日はだんだんと暖かい日に変わり寒さに体を強張らせていたが温もりの温かさの方に
体を預けて眠っていると朝日がちかちかと瞼に反射して眠りから目が覚めていく、
何となく暖かさの方にすり寄りそう悪くない目覚めに直ぐに頭も起きて来ると夢うつつで
アシタカの背に掴まっていたのだがアシタカの腕の中で目を覚ました事に途端に跳び起きる、
起きたかと言うアシタカに混乱しながら背にいたのに前で眠っていた事を話すと笑われてしまった。
まだちゃんと起きられていないようだなと、言いながら一度も環境庁長官がまだ眠ったまま起きていない事を
話すと起きたと思い行動していた事は全て夢だった事を知った。

「・・・アシタカ様ごめんなさい、お手を煩わせてしまいました・・・」

胸によっかかり眠っていた事と起こされた時に確りと起きていなかった事に恥ずかしそうに
顔を染めて俯く。今はちゃんとアシタカの後ろに座っている、あのまま前でよっかかったままでは
何か起きた時に邪魔になってしまうからだ。何て失態をしてしまったのだろうと反省しているのを
背中から伝わってアシタカは覆面の下で微かにほほ笑んだ。

「いや、早くシシ神の森に向かおうと
思い立ち明け方になってしまったんだ、眠くても可笑しくはない。」

シシ神の森、ジコ坊が鉄の塊を見せた時に話した古代の獣が息衝いている場所。
背に掴まりながら昨日の夜ウトウトとしながら聞いていた事を思い出す、タタリ神の
足跡を追いそれが途切れてただ漠然と西に向かっていたがジコ坊の入力な手掛かりで
向かう場所が定まる事が出来た、その地に行けばこれから先のアシタカがうけた呪いの運命を
決めるような感じがしていた。

その地に向かうに連れて地面は平らでは無くなり歩き難くなって行く
舗装などされていなく、道とも言えないだろうが自然のままの道。小さな小動物が石の影からや
木の上からひょっこりと顔をのぞかせている。

すると動物達はだんだんと姿をどこかに隠してしまった。不思議に思っていると
空は暗くなって行く雨が降りそうな雲行きだ、雨が降る事を感じた動物達は巣にこもる。
野を行く2人はそのまま進んでいく、外套の帽子をかぶり森の木々が見え始めると強い雨が
降り出した。打ち付ける雨の中森に入ると木々の葉が傘の代わりになり少しばかり
落ちる雨粒から当たらないでいられる、坂になったり小さな崖になったりと急な森の中でも
ヤックルは2人を乗せて越えて通っていた。と、アシタカは少し顔を上げる。

「アシタカ様?どうかなさいましたか?」

「・・・何か音が聞こえた。」

そう言うと環境庁長官は耳を澄ませたがさっきからも今も打ち付ける雨のうるさい音しか
聞こえてこない、耳元では布に雨が当たり他の音を遮り別の音は聞き取れないのは
アシタカも同じだが山育ちのアシタカなら目も耳も良く環境庁長官よりも何か聞こえたのだろう、
しかしもう何も聞こえなくなり何でも無いと、言うとまた歩き出す。森を歩いていると
雨粒は徐々に小降りになっていくそしていつの間にか雨は止んでいた。空はまだ
雨雲で暗いが上空の雲に風が吹けば切れ切れから日が零れる、しばらくすれば空は晴れるだろう。

しばらく森の中を歩いていると日の暖かさで蓑の雨粒は乾いていく、
すると近くの川の音が聞こえて来た、大きな音で流石にこの轟音は環境庁長官の耳にも届く
其方に向かうと木々の間から水が流れる姿が見えるがどこか濁って見える。

がさがさと木の葉からぬけると前に広がるのは酷く濁った川が洪水のように流れて行く。
先程の雨のせいか水は溢れ流れて土砂も流す、雨を吸った土が滑り土砂崩れがどこかで起きた様だ。
くすんだ水と共に何やら小箱や家畜の牛、木の枝が流れて来るともう息の無い人間が背中を向けて
流れて行く姿があった土砂崩れにでも巻き込まれた人だろうか、人の死がなれる事など出来ずその姿に
心を痛めるとアシタカは少し離れた所に何かを見つけた。

「あっ・・・!」

見つけたのは人だった、上半身だけが川から打ち上げられ倒れている。
直ぐにヤックルから飛び降りるとその場所に向かった、突然走るアシタカにどうしたのか驚くが
向かった先に目を向けるとその人を見つけ環境庁長官もヤックルの手綱を引き駆け出す。
倒れる人の口元に手をかざすと微かに息をしていた。
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