夏の風物詩
□飛来する者
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「飛来する者」
中学時代、姉のお稽古に付き合い、その前にある大きな公園で待っていた時のことです。
そこは、大きなお堀がある公園で、時期になると蓮の花が、咲き乱れ、葉っぱだけでも、青々と美しいところです。
公園内には、大きな湖や林があったり、美術館などの施設もあります。
私は、公園内を歩き回り、森林浴を愉しんでいました。
背中には、リュックを背負い、木々を眺めていた時です!
突然、ズシッと背中が重くなりました。
マママッ、まさか!?チカッ!?
私は、硬直しているとツンツンと首筋を突かれました。
「イテッ!」
私は内心、呟いて口に出せまんでした。
そこで私が振り返ると濡れ場色の烏が、真っ黒なリュックに乗っていました。
烏は、私が手で追い払うとすぐに飛び去り、近くの地面でカアカアッと鳴いていました。
私が、えっ?何!?と思っていると通りすがりの御婦人二人が、私の替わりに烏を叱っていました。
私はとりあえず、何事も無かったようにその場を後にしました。
内心では、烏ってあんなに重かったんだーと思いながら…何で襲われたんだろうと思いつつ。
暫くして、首が痛いなと思ったら、烏の嘴で突かれた所に傷が入っていました。