夏の風物詩

□「デパートの駐車場」
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広い駐車場で起きた事件です。
姉の友人が、デパートで働いていました。
駐車場には、毎日、車が出入りしていますが、何日…何ヶ月も取りに来ない車があります。
所謂、放置車って訳です。
※因みにこれは、犯罪ですので、見つかれば、罰金が課せられます。

その放置自動車も半年くらい、あったので、今日辺り、中を確認して、警察にでも、通報するかと店長は、思ったらしいのです。

店長は、お昼に真っ青な顔をして、職場に戻って来たそうです。
ただ為らぬ店長の様子に彼女は、
「血相を変えてどうしたんですか!?」
と訪ねたそうです。

店長は、彼女に昼間に起きた事を話しました。
昼に放置自動車の中を確認しようと助手席側のドアを開けると鍵が掛かっておらず、開いたのだそうです。
放置車両の中は、ゴミだらけで、異臭が漂っていたそうです。
臭いな〜と思いながら、ゴミ袋の山を掻き分けているとドサリッと倒れる音が後部座席でしたらしいのです。
店長は何の音だろうとゴミを掻き分け、後部座席を覗き込みました。

そこには、異臭の元凶とも言える物体が座っていたのです。
人型らしい物体は、肉が半分くらい、溶けて、頭蓋骨が見え、髪は抜け落ち、歯が剥き出しになっていました。
…そこには、腐乱死体が座っていたのです。
店長は、吐き気を感じて、急いで車から、出ると吐いてしまったそうです。
幾分、店長は落ち着いてから、警察に連絡し、来てもらったそうです。
店長は、話し終えるとまた、気分が悪くなり、その日は、早退したそうです…。
後日、その腐乱死体が、男性の者と判明し、車内で自殺をしたのだそうです。
どうして、自殺したのかというのは、解らないままでしたが、デパートの駐車場で死ななくても…と彼女は思ったそうです。
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