夏の風物詩
□キャンプ場で…
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兄が小学生の時の話です。
夏のキャンプ合宿というのが、学校であり、それに参加した時の話です。
夜中、山のキャンプ場で兄が眠っていたところ、テントの外から、ジャリッ…ジャリッ…という足音が聴こえてきたそうです。
最初は遠くから、聴こえ、段々と兄の近くのテントへ近付いて来たそうです。
子供の足音でもなく、大人のような足音だったので、
(ああ、きっと先生たちが見回りしているんだろう。)
と兄はそう思い、再度、眠ったそうです。
次の朝、先生の一人が昨夜、起きた怪現象を話し出したそうです。
「夜中に足音が聴こえたんだ。他の先生も一緒に眠っていたから、他に誰も歩き回っていないっていうのに、ジャリジャリと大人が歩き回る音がしたんだよ!?」
それを聴いて、兄は、内心、俺も聴いたよと思ったらしいのですが、言わなかったそうです。
先生は、足音が遠ざかるまで怖くて眠れなかったそうです。
足音は、辺りを徘徊していたようで、もしも、テントの外に出ていたら、…アチラに連れていかれていたのかも…しれません…。