夏の風物詩

□お迎えに来てるよ
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私の会社にSさんという明るくて元気なパートさんがいました。

まだ、小さな子供がいる方で、休みがちでした。

そんなある日、Sさんと一緒に仕事をしていた時でした。

黄色の透明なカーテン越しだったのですが、Sさんの後ろに小さな子供が立っていたんです!

私の勤務先は、子供が入れる所ではありませんから、絶対にいる筈がないんです。

ですが、Sさんの後ろに立つ子供を見た瞬間、驚くよりも何故だか、「お迎えに来てる」と思ってしまったんです。

子供は私が目を逸らした瞬間に消えてしまいました。その子が、Sさんの子供というのは、一度、会っているので解りました。

Sさんにこの事は言った方が良いか迷いましたが、その日は言いませんでした。

次回に会った時にでも、話そうと思っていたのですが、その日以来、Sさんと会う機会がありませんでした。

Sさんは、それから、すぐに会社を辞めてしまったんです。

もともと、Sさんが勤務し始めてから、子供がすぐ熱を出したりと大変だっそうなのです。

あの時、見た子供は、きっと母親と一緒にいたくて、現れた生き霊だったのでしょうか…。
 

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