夏の風物詩
□夏の風物詩
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「ゼロ」
幽霊なんて、遭うはずも無いと思い、ホラーゲームに嵌まっていました。
幼い頃から、怖い話が好きで、その手の番組は、必ずと言っても、良いほど、見ていました。
そんな訳で、ホラーゲームをしたくらいで幽霊なんて、出るわけないと思っていたんです。
ところが、そのゲームを初めてから、不思議ななことが起こりはじめたんです。ミシッ、ピシッていう家鳴りが酷くなったり、ある時は、天井裏でネズミの走り回る音がしたかと思うとドーンッとぶつかる音がしたりするんです。
ネズミは、猫を飼うようになって、居なくなっていたんですが…。
ある日、姉が帰宅した時、2階で走り回る足音が聞こえたんだそうです。
調度、小さな子供たちが、パタパタッと走り回るような音だったそうです。
だけど、家族に小さな子供はいません。しかも、その日は、猫以外、誰もいませんでした。
飼い猫かなと思い、探すと猫は一階で寝て居たそうです。
姉は、誰か居るのでは?と2階へ見に行ったそうです。
あまりにも、パタパタッとうるさくて、誰か居るとしか、思えなかったから。
すると姉が階段をトントンッと上がっていくと走り回る音が、ピタッと止んだそうです。
もちろん、2階に行くと誰もいません。
そんなことが一回や二回では無く、起きていたそうです。
ゲームをクリアするまで、ずっと続き、クリア後も暫く、続いたそうです…。
私は鈍感なせいで気付く事はありませんでしたが…。
思い返してみれば、2階で走り回る音を何度か、私も聞いているんですよね。
限って、飼い猫は一階に居るんです。断じて、あの音がしている時、2階には、行かないんです…。