夏の風物詩

夏の風物詩
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「ゼロ」

幽霊なんて、遭うはずも無いと思い、ホラーゲームに嵌まっていました。

幼い頃から、怖い話が好きで、その手の番組は、必ずと言っても、良いほど、見ていました。

そんな訳で、ホラーゲームをしたくらいで幽霊なんて、出るわけないと思っていたんです。

ところが、そのゲームを初めてから、不思議ななことが起こりはじめたんです。ミシッ、ピシッていう家鳴りが酷くなったり、ある時は、天井裏でネズミの走り回る音がしたかと思うとドーンッとぶつかる音がしたりするんです。

ネズミは、猫を飼うようになって、居なくなっていたんですが…。

ある日、姉が帰宅した時、2階で走り回る足音が聞こえたんだそうです。

調度、小さな子供たちが、パタパタッと走り回るような音だったそうです。

だけど、家族に小さな子供はいません。しかも、その日は、猫以外、誰もいませんでした。

飼い猫かなと思い、探すと猫は一階で寝て居たそうです。

姉は、誰か居るのでは?と2階へ見に行ったそうです。

あまりにも、パタパタッとうるさくて、誰か居るとしか、思えなかったから。

すると姉が階段をトントンッと上がっていくと走り回る音が、ピタッと止んだそうです。

もちろん、2階に行くと誰もいません。

そんなことが一回や二回では無く、起きていたそうです。

ゲームをクリアするまで、ずっと続き、クリア後も暫く、続いたそうです…。

私は鈍感なせいで気付く事はありませんでしたが…。

思い返してみれば、2階で走り回る音を何度か、私も聞いているんですよね。

限って、飼い猫は一階に居るんです。断じて、あの音がしている時、2階には、行かないんです…。
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