夏の風物詩

□小話
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しかし、その話には、続きがあったんです。
数日後、姉が、神妙な顔をしながら、
「この間の2階トイレの話なんだけど…私も経験あるわ。」
と言い出したんです。
一年前、姉が一人でトイレに入っていた時でした。
他にトイレを使用している人は、おらず、姉が入っている所、以外は、全室、空いていました。
ところが足早にやって来た者が、ドンドンッと勢いよく、姉の入っているドアを激しく叩いたのだそうです。
(え?他の所、全部、空いていたよね?)
姉が、謎に思っていると足音は、奥まで行って、パッタリと聞こえなくなったそうです。
姉は用を済ませ、外に出るとやはり、全室、空いていました。


そう……足音の主さえ、そこには、いなかったのです…。


姉は足音と気配だけ、ハッキリと感じていた為、絶対に誰かが入って来たと感じていたそうでした。
そして、足音は奥に行って、踵を返すこともなかったのです。
つまり、トイレから、ソレは、出ていないのです。
姉は急いでトイレから、出たということでした。
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