歪みの国

□ひさしぶり!
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「お茶だよー」


紅茶と、ちょびっと可愛いクッキーと、スコーン、チェリーパイを出した。

「あれ、帽子屋、背伸びた?」

出会った当時は、私より小さかった…よね?

「俺だって、伸びるときゃー伸びるんだよっ」

「ふーん。男らしくなったじゃん。袖から手が見えてるし?」

「ばっ、ばかっ。そんなのわざわざ口に出して言うもんじゃねぇっての!」

帽子屋があわあわしてる。

「ねぇ?チェシャ猫?」
「帽子屋だからね。」

「あっそ。」

期待通りの答えだった。
帽子屋がティーカップを取る。

帽子の下にカップを突っ込んで一口のんだ。

「…。」

「なに?」

急に黙り込まれると…。
「…アリス。」

「うん?」

「お前…紅茶にミルクを…いれるときゃー…」

「え」

「最後にいれろぉっ!!」









「はぁー、細かいなぁ」
「僕のアリス。帽子屋だからね。」


「あ、そういえば、今日ネムリンは?」

いつもはいるのに…

「あ?あぁ…。ネムリンは、女王に捕まってる。」

「えぇ!?ネムリン!首っ、首ーっ!!」

ネムリンの首を心配して、若干パニックにおちいった。

「それがさ、ネムリンの奴、お菓子の食い過ぎで太って今、首見えねーんだ。そ
れで…」

「女王様がおこったのね。」

「あぁ」

と、面白そうに語った。

その辺にあったクッキーをつまむ。

時刻は午後4時。

「あ、やべ。俺帰らねーと。」

「あ、4時だもんねー」

「おう。じゃあな、猫、アリス。」

「…うん。」

ちょっと寂しいな。

玄関に向かって帽子屋が歩き出した。

「うわっ!」
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