アヴィス
□光と影
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「ヴィンセント様がね……って、ギル、聞いてる?」
「あ、はい!」
この方は俺のマスターの妹、エイダ様だ。
エメラルドの瞳に、綺麗な金髪。
本当に立派に成長なされた。
天使のようなその笑み。
喜怒哀楽がよくわかる顔。
可愛らしいという言葉が似合う。そんなお方なのだ。
俺はギルバート。ギルバート=ナイトレイ。
ナイトレイ家は言うならば闇。
エイダ様のベザリウス家は光。
正反対だからこそまぶしく、羨ましいものである。
愛してはいけない。
俺はあの方と結ばれない。
釣り合わない。
大切なマスターだ。
でも、それ以上に大切な大切な方。
「私がそういうとね、ヴィンセント様が…」
最近エイダ様はヴィンセントの話をする。
…その瞳や頬の色から、恋をしている事がわかった。
気づかない事にしよう。
深く考えれば考えるほど、傷をえぐるような気がするんだ。
…ヴィンスまで嫌いになりそうだ。
そんな醜い気持ちを、真っ黒な服のしたにかくして、今日もあなたにお会いしましょう。
私はあなたがー…