アヴィス

□イチゴ戦争
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「このケーキおいしい!!ほら、ギルも食べてみろよ」



とある日の昼下がり。



俺たちは、いつものようにパンドラのデッキで茶を楽しんでいた。


俺と、オズとエリオットと、リーオの4人だ。



「ケーキ?どれ…」



俺は、オズの食べていたケーキと同じ種類のケーキを皿に取る。




イチゴにフォークを刺したときオズが怒鳴った。




「ギルってケーキはイチゴから派なの!?」




「あ?あぁ…」





「ありえない!!なぁ、エリオット」




「は?」




と、聞いていなかったエリオットだが、イチゴにフォークを刺していた。




「おい!!ありえないだろ!普通イチゴは最後だろ!!」




「はぁー?なに言って…」



リーオがスッと立ち上がった。




「エリオット。イチゴは最後に食べるべきだよ。」



「お前まで…」




「だよなー!」



「ギルバート!お前は先だよな!!」



「あぁ」




「そもそも、取っといたら食べてる途中で邪魔じゃねぇか。男なら最初に一口でいくべきだ。」




「エリオット。ケーキは甘いよね?」




「は?」




「甘いケーキを食べた後の口直し。それがケーキのイチゴの真の役割だよ。」




「そうだそうだー」




オズが勧めるなら…




イチゴを後で食べようと、フォークの先のイチゴを皿に置いた。




「ちょっとまてこら!!男が二度言など、恥を知れ!!!」



「え…」




「そうだぞギル!お前どっちの見方なんだよ!」



「えっ、えっ・・・」



「そうだね。ケーキのイチゴをいつ食べようか義兄さんの勝手だもんね。」



「おっ、おい…」



『ギルバート!!』



うわぁぁぁ!!










…てくてくてく




「あ、アリス!!」




そんなときに馬鹿うさぎがやって来た。




「む?なんだこの雰囲気は?」



「そうだ!!チビ、こいつにも聞いてみようぜ!!」




「そうだね、アリス、ケーキ食べてみて?」




「ん?私はケーキより肉がたべたい。おい、肉をだせ」




「いいからいいから〜」



パクッ…







『!?』







馬鹿うさぎがケーキを食べた瞬間、皆の顔色が変わる。






「そうか…アリス」



「知らなかった。君には完敗だよ。」




「まさか…こんな男気あふれるケーキの食い方があるなんて…」









『かっこいい…』








「うん?」





なにかよくわからないままの馬鹿うさぎが、どういうふうにケーキを食べたかというと…





1.ケーキを手掴み

2.口元へ

3.一気に口の中へ…



特にエリオットが目をキラキラさせながら馬鹿うさぎを見ていた。


オズと、リーオは ぷくくくく と音を出さないように笑いをこらえていた
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