アヴィス

□シャロンと愛読書
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「お菓子づくりは、女の子のたしなみですわ!」

ロマンス小説

シルヴィお嬢様と駄犬達より








パタン…

本を閉じる。

「な、なんですの!私、知りませんでしたわ!」

とにかくキッチンに走る。

だって、だって、今までしっかり女の子やってきましたのに…


お菓子づくりがあったなんて!!


「キッチン借りますわ!!」

私の一言でレインズワース家のシェフたちを追い出す。


!出始めにケーキですわね。

…うまくできたら、ザクス兄さんは食べてくれるかしら?





ふぅ…

ようやく生地が出来上がった。

慎重に形へ、流し入れ、オーブンへ。



「クリームですわね。」

ミルクに手を伸ばした

「なにしてるんデスか?」

「きゃー!!」

びっくりして、後ずさりしたら、何かにつまづいた。

転ぶーーー!!




ドサッ





「え…?」

「危ないですヨ?お嬢様。」


ザクス兄さんの胸に受け止められた。


「ご、ごめんなさい!!」

「いえいえ。それより、なにしてるんデスか?こんなところで」

「け、ケーキを作ってるのですわ」

やだ…!!

ドキドキして、上手くしゃべれない。


材料を入れて、ボールのなかをかき回す。


「ほぅ…。どれどれ?」

ザクス兄さんは、私の手についていたクリームを…


舐めとった。



「…!!」

「うーん。甘いデスね」
「ブレイク!////」

「ごめんなさーい」


それだけ言うとぱたぱたと出て行った。


「っ…」

ほっぺが熱いですわ。


ザクス兄さん…


-end-

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