アヴィス

□談話室で・・・
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「ふぅー、先生、終わりました」


「ごくろうさま。もうすぐ消灯時間だから早く帰れよ」


「はーい


食事の後、寮から職員室に呼び出されたかと思ったら、消灯時間までフルで雑用


はーぁ。疲れたっ


私は、寮に向かって走り出した。




寮のある建物に入ると、中庭に出て、さらに二階に上がると私たちの学年の談話室があり、その奥が個々の部屋になっている。



談話室に入ると、エリオットくんが一人で本を呼んでいた。


「エリオットくん、もうそろそろ消灯時間だよ」


「んー、今いいとこなんだよ…」


エリオットくんの読んでる本の表紙を見る。


エリオットくんの愛読書の“聖騎士物語”だ。


どうりで、私が来ても顔も上げないわけだ。


「じゃ、私先に戻るね」


「んー…」


エリオットくんの目は本に向けられたままだった。

ばちっ…!


「きゃ…」


女子の部屋の入口のドアに手をかけた瞬間、消灯時間になって電気が消えた。


キィィィィ…カチャン


しまった… オートロック!


オートロックだから、談話室の鍵も部屋に続く鍵もかかってしまった


もちろん、内側から開くわけがない。



リオットくんはというと…


「エリオットくんっ」


「ん?なんだ?」


ろうそくの炎で本を読んでいた


「オートロックで鍵閉まっちゃったよ!?」


「えっ!?」


扉に駆け寄り、ガチャガチャとノブを引っ張っている


…電気消えたのに気づいてなかったの?


「どうしょう?」


「んー…っ」


私たちは、密室に2人、閉じ込められてしまった。








とりあえず、暖炉に火を灯し、2人でそれを囲んだ。


「朝まで待つしかねぇな…」


「そっかー」







…。






沈黙が2人の間を通る。


「なんかドキドキするね」


「…なに言ってんだよ!…別に俺はー…平気だぜっ?///」


エリオットくんの頬が真っ赤になる


暖炉の薪が減り、火が小さくなった


「っくしゅん…」


さすがに寒いなー…


エリオットくんが、毛布を一枚もってきた


「ん」


「えっ、エリオットくんのは?」


「一枚しかなかったからいい」


「一緒にはいろっか?」


「……は!?お前、小さいとき習わなかったか!??男は狼だって」


「おー…かみ?」


気にせずエリオットくんの膝にわ
って入り、毛布でくるんだ。


「あったかーい」


「…。」


「どうしたの?」


「お前さー…」


「ん?」


するとエリオットくんが私を後ろからぎゅっと抱きしめた。


「エリオット…くん」


「お前大胆すぎ…」


「エリオットくんって、私の事好きでしょ?」


「は…!?///」


「私は好きだよっ」


「っ……」


毛布がぱさっと床に落ちた


さすがに私も恥ずかしいかな…


「もう…寝るっ!」


毛布にくるまってそのまま横になった。


「おい!せめてソファーの上にしないと背中痛くなる…って寝てるのか?」


いや…まだ寝てないけど


面白いから寝たふりをすることにした


「……。」


つんつん


指で頬をつついてくる


髪を撫でて寝たのを確認するとエリオットくんが


「…俺も好きだ///」


と言った。


それだけ言うと、私を抱きかかえ(お姫様抱っこ)ソファーに運んだ。


ちゅっ


とおでこに柔らかいキス


「おやすみ」


いつも以上に優しい声にキュン…とした


カーテンからは朝を知らせる明るい日差しと、小鳥の鳴き声。


キィィィィ… カチャン


オートロックが開き、エリオットくんが毛布ごとお姫様抱っこした


部屋まで運んでもらってる途中の心臓の音はエリオットくんに聞こえてしまうくらい大きくて、早かった。


私が目覚めても、さっきの言葉言ってくれなくちゃ…やなんだからね。

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