歪みの国
□学園祭と帽子屋と
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「アリス!!」
「…帽子屋!?」
とある休日の昼下がり。
おばあちゃん家で宿題をしてたら、突然部屋のドアが開いて帽子屋が飛び込んできた
前にも思ったけど、歪みの国の住人は非常識だ
…私がつくったんだけど
おじさんいなくてよかった
「たたたたた、たいへん!!」
「なにー?」
「アリス、これを見ろ!」
「え?」
帽子屋が、紙をひらひらさせる
受け取るとそれは、近所の高校の学園祭のチラシだった
「9月18日って…明日じゃん」
「そう!マツリだぞ!?」
「学園祭だけど」
「マツリなんだろ?」
「うん、まぁ」
「行きたい!!アリス行こう!」
「えー、いいけどさぁ」
「…?」
気になってたんだけど…
「その格好で行くの?」
「だめか?」
「うーん…怪しすぎ…」
普段は歪みの国で暮らしているし、おばあちゃんの家に来るときも、あの公園からここまでの距離はたいしてないから大丈夫だけど…
学園祭に行くとなると…
顔見えないわ
服はブカブカ
出会った頃のような、小さい体ならまだしも、なぜかあれから帽子屋は成長した
身長は170は越えただろう
「でも、服これしかないぞ?」
「じゃあ私、なんか買ってくる!」
そうして私は、帽子屋をおいて街に出かけた