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□レナの唇
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「フレディ」


「……ねえちゃん!?」


時刻は12時を回った頃。
突然の来客に俺は慌てふためく。


「こんばんは」


「ちょっと、ちょっと待って!」


いろいろ片付ける。
……いろいろね。


「?」


「どうぞ」


ねえちゃんは、ちょっと不思議そうな顔をしたけど、さほどきにしていないようすで部屋に入る。
そして、なんのためらいもなくベッドに座った。

…一応、男の部屋なんだけど。


「はーっ、やっぱりフレディの部屋は落ち着くなー」


「……」


そんなゴロゴロして……



……隙だらけ



「フレ…ディ…?」


そんなねえちゃんをもっと近くでみたくて、ねえちゃんにふれたくて


気がついたらねえちゃんの上にかぶさった大勢になっていた


ねえちゃんの目が俺をとらえてる。


「ご、ごめ…」


我に返った俺は、ねえちゃんからはなれた。

……危なかった。


「いいよ」


「え…」


「わたしもそうしたいの」


「え…?」


ねえちゃんがすすすっと近づいてくる。


ねえちゃんの潤んだ目。
乾いた唇。


いつの間にかものすごい近くにいた。


「ねえちゃ……」


「好きよ。フレディー…」



……ねえちゃん の 唇


柔らかで 冷たい…。



「フレディの唇…あったかい……」


「ねえちゃん…」


「ん?」


「俺、ねえちゃん好きだよ。愛してるんだ。……レナ」


また唇に冷たさを感じる。


吸血鬼に恋する女の子はよくいるよね。


でも俺、男だし。
狩る側の人間だし。


…笑っちゃう。


でもいいんだ。


レナが人でも吸血鬼でもなんでも。


俺がレナを好きな事には変わりないから……。


「レナ…」


「フレディ…」


また唇に冷たさを感じる。


今度は2人の暖かさと冷たさが混じるほど長いキスをしよう。


2人の違いを埋めるキスをしよう。

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