!tgp!
□姫織様・蒼羽様へ!
2ページ/4ページ
キューーーン…
いやいやいやいや、キュンじゃねぇよ。
いきなりなんだよカルタのやつ…!
「な、んでだよ」
「馬鹿」
「ひでぇっ煤I」
俺なんかしたかな……?
やべ、泣きてぇ。
「χ=6」
おお、お?
もしかしてカルタは勉強出来ない俺に対して馬鹿って言ったのか……?
俺の目の前には数学のワーク。
手にはシャーペン。
こんなの置いてくるつもりだった。
なんせ俺は不良だからな!
『渡狸このままじゃ、留年する。一緒に、しよ?』
とカルタに言われ、ワークを持って帰ってきてこうして机に向かっているわけだ。
なのに当のカルタの目の前にはポテチ。
手にもポテチ。
口の中にもポテチ。
ポテチ、ポテチ、ポテチ……。
可愛いけど………。
……ちっがーう!
「おいカルタ!お前ポテチばっか食ってんじゃねぇよ」
「……渡狸も、食べる?」
「いら、ね…ぇ……」
「………」
「いるよ!しょうがねぇから食ってやるよ!」
明らかにシュンとして落ち込んだ様子のカルタを見て、俺はついそう言ってしまった。
途端に瞳がキラキラし始めたカルタを、素直に可愛いと思ったことは言うまでもない。
.