スパイラル
□こんな日も
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ここ最近、
一昨日も晴れ。昨日も晴れ!今日も晴れ!!どーせ明後日も晴れ!!!晴れ、晴れ、晴れ、晴れっ!!!!
という位快晴が続いていた。
そんな天気にいい加減滅入ってきた一人の少年。
浅月香介は暑過ぎて何度『あーオレ溶けんのか…?』と思った事だろう。
だからと言って何故。
「今日に限って雨になんだよ!傘持ってきてねぇよ!!何、風邪ひけってか!?」
オレはさっきまで、スーパーで晩御飯の材料を買っていた。
来る時はやっぱ晴れていた。なのに、今ではバケツをひっくり返した様な強い雨。窓ガラスごしに見える人々は皆、びしょ濡れを普通に通り越していた。
「どーしたもんかなー」
ハァと溜息を付きながら店内にある時計を見る。
(5時50分か…。亮子の奴、こんな雨ん中大丈夫 か?)
(部活が終わりきっと亮子も帰れないで困っているかも知れない。いや…あいつなら走って帰るか?)
もんもんと考えが彼の頭を埋めて行く。
悩みに悩み、香介はこの雨の中を走って帰る事を決意した。
(早く家に帰ってあいつを温める用意をしよう…!)
そんな優しい彼に雨は優しく…はならなかった。