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□あの日の体験談
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ふと、元の世界が恋しくなった。
何処にいても無条件に光に人に音に触れられる場所。


そしたらいつの間にか、
不快にしか感じられなかったような物事が
有り触れていた全ての物事が
愛しく感じるようになった。

そう思ったら涙が溢れていた。
怖さや悲しさの涙じゃなくて、愛しさや嬉しさの涙。



すると、暗闇の中に一筋の光が差し込んだ。


自分は雑踏の中に立っていた。
人々は邪魔そうな、そして泣いているのを不思議そうな目で見てきた。
だけど、そんなの関係無かった。

ただただ嬉しくて、人目も憚らず大声を出して泣いた。
それが何故だか心地よくも感じた。








あとになってこの体験談を親や友達に話しても信じてくれはしなかった。

別に、それでもよかった。
世の中の物事の大切さを愛しさを伝えられたら、いいと思った。
そして、それを伝えるのは、伝えられるのは、自分しかいないこともわかっていた。
だから、絶対に伝える。
わかってもらう。


そう、それは








――失ってから初めて気付く





ってこと

よく言う言葉だけど、大切なこと。
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