☆学園の夢長編☆
□調理実習の戦い
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鶴姫と話しながら、私はグランドの家康を見ていた。
柔道着に黒い帯……。
「家康も黒帯なんだ……」
「家康さんは柔道を習っていましたからね」
「そうなんだ」
そんな話をしていた時、家康と目が合ってしまった。
「っ!?///」
家康は私に気づくと、ヒラリと手を振った。
私は混乱しながらヒラヒラと手を振った。
(家康かっこいいな…///)
「遥緋ちゃん、顔が真っ赤ですよぉ〜」
「わぁ〜!無理ぃ…///」
私は顔を必死に隠すのだった。
一方、
「Hey、家康」
「独眼竜!」
家康を呼び止めたのは政宗だった。
「アンタ……遥緋をどう思う?」
「遥緋か?可愛らしいと思うが…」
家康は頭を掻きながら先程の遥緋を思い出す。
(目が合っただけで真っ赤になって可愛かったなぁ…)
「残念だが…アンタに譲る気はないぜ、you see?」
「譲る……?」
「じゃあな」
背を向ける政宗に家康はハテナマークを浮かべた。
「明日が楽しみだな…」
渦中の遥緋は明日の調理実習を楽しもうと、何を作るか決めようとしていた。
「う〜ん…」
女子のテーマはお菓子。
個人で何を作るかは自由らしいが、
「何にしよう…」
私はお菓子の雑誌をやけくそにめくる。
「ん?」
ピタッと手が止まる。
「……これなら、作れるかも…」
私は調理実習を想像して微笑んだ。