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□君は誰にも譲れない
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四時間目の終了を告げるチャイムが鳴り、クラスの大半の者が動き出す


俺も机の横にかけておいたコンビニの袋を持つとバダップの席へと向かった

今日のお昼はコンビニで買ったパンなんだよなと思いながらもバダップの前の席の椅子を借りて、それに座ろうとした時だった



「エスカ君っていますか?」


後ろから俺を呼んでいる声がして、後ろを向けば教室の後ろのドアの所に他のクラスの女子が立っていた


「悪い。ちょっと行ってくる。」



そう言うとバダップは何も言わず無言で頷き、先に自分の弁当を食べ始めた


それを見てから教室の後ろのドアへと向かう



そこには少し顔を赤くしながら、申し訳なさそうな表情をして、さっきと同じように立っている女子がいた




そして俺が何のようだと聞こうとした瞬間だった


「あの、屋上に来てほしいの。」

「は?」

「じゃあ必ず来てね。」



それだけ言うと今まで目の前にいた女子は走って何処かへ行ってしまった


言いたいことだけ言って去っていった女子に唖然としていると誰かに肩を叩かれた


ゆっくりと振り向けば弁当を食べていたはずのバダップが相変わらず無表情のまま後ろに立っていた


「バダップ?」

「大変だな。早く弁当を食べたいなら屋上へ向かった方が良い。」

「……。」



言っていることは正しいのだが、憐れんでるような目をしているバダップに多少イラッとしながらもしょうがなく屋上へと向かった
 
 
 
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