malicious tale★

□-狂気と純愛の狭間で-
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このまま愛して 殺してしまえたら。僕の狂った世界の血濡れた人々の中で、君だけが綺麗。
君を 愛している。
だから君を僕の手で…。

「何考えてんの?…シーナ」
「―いや。…愛してるよ、ロル」

自らの腕に抱いた少年の、しなやかな細い体を抱きしめる。

「俺のほうが愛してるよ。
…ねぇ、俺を殺したい?」
「―ロル、そんなこと
聞かないでくれ…」

柔らかな漆黒の髪が、指の間を滑っていく。

「俺を殺してよ…。
俺はシーナのものだから。
でもその後は俺をあんたと
1つにしてね。俺を食べて。
そしたらあんたの中で俺は
本当のイミで1つになれる…」

「ロル―。君を愛してる。
君が望むなら僕は……」

このまま愛して
コロシテシマエタラ―
ナンテシアワセ


僕は今日も、君を抱いたまま空を見上げる。
「ロル。ほら、月が綺麗だよ。
…あぁ、寝ちゃったのかい?」

君の肌は冷たくて僕の熱を冷やしていく。冷たい柔らかい唇にキスをすれば、僕の唇も冷たく濡れる。

君さえいれば何もいらない。
君が愛しくて愛しくて

「ロル…どうして返事しない?
僕が嫌いになったのか?
僕はこんなに君を愛してるのに」

ロル―ロル―はやく眠りから覚めて。僕はこんなにも君が大切だ。君を彩る鮮やかな色に見惚れてしまう。どうして笑ってくれないんだ?

キミノノゾムトオリニ
シタノニ………
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