Clap♪

□雨にも負けずでいいんじゃない?
1ページ/7ページ

〜 昴編 〜


やっぱり降ってきたか…。
確か昨日降水確率50%って言ってたしな。
あいつ濡れてないといいが…。
ちょっと待てよ。
まさか走って転んだりしてないだろうな。
急に降ってきたから焦るのは間違いない。
………仕方ない。
そうなる前に迎えに行ってやるか。
この俺にそこまで心配させるのはあいつくらいだ。


「昴さん!遅れてごめんなさい。途中で雨降ってきたからちょっと焦っちゃった」


そう言って俺の目の前には晴れ渡る青空をイメージさせる笑顔。
足元を見れば花柄のレインブーツ。
ちゃんと雨対策をしていたか…。
おっちょこちょいのこいつにしてはよく準備してたな。


「10分遅刻だな」

「ごめんなさい」

「まぁ今日のコーディネートに免じて許してやるよ」

「どういうこと?」

「だからよくできましたってことだ」


まだよく分からないというような顔を見て、自分の過保護さに恥ずかしくなった。


「ほら、行くぞ?」


ごまかしながら繋いだ手は、いつも通り俺を安心させるものだった。




end.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ