Clap♪
□雨にも負けずでいいんじゃない?
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〜 昴編 〜
やっぱり降ってきたか…。
確か昨日降水確率50%って言ってたしな。
あいつ濡れてないといいが…。
ちょっと待てよ。
まさか走って転んだりしてないだろうな。
急に降ってきたから焦るのは間違いない。
………仕方ない。
そうなる前に迎えに行ってやるか。
この俺にそこまで心配させるのはあいつくらいだ。
「昴さん!遅れてごめんなさい。途中で雨降ってきたからちょっと焦っちゃった」
そう言って俺の目の前には晴れ渡る青空をイメージさせる笑顔。
足元を見れば花柄のレインブーツ。
ちゃんと雨対策をしていたか…。
おっちょこちょいのこいつにしてはよく準備してたな。
「10分遅刻だな」
「ごめんなさい」
「まぁ今日のコーディネートに免じて許してやるよ」
「どういうこと?」
「だからよくできましたってことだ」
まだよく分からないというような顔を見て、自分の過保護さに恥ずかしくなった。
「ほら、行くぞ?」
ごまかしながら繋いだ手は、いつも通り俺を安心させるものだった。
end.