二次小説
□湖の畔で待っています…
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プロローグ
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「ねえ、お兄ちゃん達。もう帰った方がいいよ」
「え?どうして?」
一緒に遊んでいた二人の少年たちは、そう言った一人の少女に尋ねた。
「だって、ココはトキワの奥深く…。しかも、遅くなって暗くなって、大人の人にばれたら、怒られちゃうよ」
少女は答えた。
「そっか、ありがと。それじゃ、俺は町の人達に怒られるから、もう帰るよ。それじゃあお先に〜。俺が先に町に戻るからな〜」
少年は帰った。が、
「…君は、どうするんだ?」
一人残っていた少年は、少女に尋ねた。
「君は、両親とかに怒られないか?俺たちより小さいし、女の子だろう?」
と、少女に言う。
「私は…。…お家が近いし、怒る人もいないから大丈夫だよ。…ほら、お兄ちゃんも気をつけて帰らないと、迷っちゃうよ?」
・・・。
「でも、君は・・・」
少年がさらに聞こうとすると、少女はそれを遮り、
「ごめんね、お兄ちゃん。気をつけて。…私は湖の畔で待っているから…」
と言い、少年は、その時の、少年や少女と遊んだ記憶をなくした。
それ以来、この森に、二人の少年が遊びに来る事はなかった。
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