創作小説
□…道化師2…
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道化師(ピエロ)はあせる
寝坊。遅刻。失態。
その言葉が、頭の中で巡る。
道化師は、あの日あの方を見た後、
道化師としての存在意義を信じられなくなっていた。
そして、昨日の夜も悩んでいた。
そしたら、既に今日の朝がやってきていた。
そのあとに、時の刻む音が道化師の耳で反響する。
つまり、やってはいけない事をやらかした?
焦る、焦る。
道化師は、舞台裏は常に完璧でなければいけない。
褪せる、褪せる。
道化師は、舞台裏以外での失態は許されない。
道化師は走る。
衣装は着こなし、仮面も忘れず
道化師は走る。
出てくる汗拭き、頭髪も乱さず
気がつく、
気がつく。
どうやら
自分は休日に走っていた。
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