Long story


□Requiem Episode2
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 咄嗟に身を逸らしたお陰で致命的な傷は避けることができたが、左腕に掠った様だ


 どうやら拡散するタイプの弾だったらしい


 ずきずきする上血も出ている 簡単な応急処置位はしなければ


燐は近くの大きめの木の陰に身をひそめた


 取りあえず唾でも付けとけば血、止まるかな、と子供じみた事を考えてみたが


 どう考えてもそんな量の出血では無かった。


 仕方がないのでネクタイで出血している部分を縛る。これがなかなか難しい


 ふと、昔同じように左腕を怪我した時に雪男が治療してくれた事を思い出す


 そして当たり前のことが改めて納得する あいつ治療上手だったなぁ


 そこで思い当たる 携帯!携帯使えば雪男に助け呼べるじゃねーか!


 さっそく携帯を開いてみたが、圏外。


「ちくしょー、俺が携帯持ってること解ってて…」


その時聞こえた声に恐怖した


「見ぃーつけた♪」


 急いで声の聞こえた方に振り向いたが、いない


 呆然としていると背後から急にすごい力で地面に叩き付けられた


「捕まえた。大人しくしててね〜」


「誰がするか!放せっ!」


「だからさぁ 人の話聞こうよ。私は“大人しくしてね”って言ったの」


「と言う訳で話を聞かなかった子は…お仕置きでぇーす」


そう言ってそいつは笑いながら俺の左腕を捩じった


「ぐあああああぁっ!」


左腕に激痛が走る


ミシッ バキッと言う嫌な音がする


さっき縛ったばかりのネクタイが血に染まり始める


「あっ…ぐッ…」


「ちょっとは大人しくなったね。おーいオセくーん?」


「煩い位十分な音量だよ。と言うかちょっと黙れ」


「はいはい、ちょっと位は抑えますよー」


「あとソレの声も煩いからもっと痛めつけておけ」


その男は未だに呻いている燐を一瞥した


「了ー解ッスー」


そう言って女は何所からか真っ黒な日本刀を取り出した
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