波乗少女

□two surfing!
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歩道で佇んでいる少女を、波に乗りながら気にかけていた。

俺のサーフィンを見る奴は少なくない
何たって俺は上手いからな!

けど…その子の表情は他の奴らとは少し違った
眉はつりあがっていて、口はへの字という例えがあっている

(俺、何か悪い事でもしたか…?;;)

少し考えたが、思い当たる節はない…それに、俺の知り合いにあんな可愛い子はいない!

地元の子には間違いないだろう少し焼けた肌と、外にはねた海の様な明るい水色の髪

(中学生…だよな?)

未だこちらを凝視しているその子をちらりと見ては波に視線を戻す。
きゅっと締まったウエストと中学生にしては豊満な胸が中学生に見えないが、顔は少し幼さが残っていた。

あんな所に立っていて変な奴に絡まれたりしないだろうか…

最近は観光客が増えてきた
男同士で来ては、海辺で遊んでいる地元の女の人たちをナンパしている様子が頻繁に見られる

女の人が嫌がっていたらたまに助けたりもしている
まあ、朝っぱらからナンパなんてする奴はいないと思うけど

「ちょっと心配だしな…」

少し言い訳くさいか、と自分で思いながらボードを持って海からあがる

そう、言い訳だ。

彼女に話しかけたい、俺の頭にはそんな邪な気持ちが横切っていた

朝っぱらからナンパなんてする奴はいない?
ははっ、俺の事じゃねえか…

彼女にばれない様に下を向いて苦笑した

しょうがねえよな、気になったんだ
何であんな顔で俺を見ていたのか―…。
サーフィンやるのかとか…どこ中学なのかとか
あわよくば名前と携帯番号とアドレスとか…聞けたら良いけど

「あ………」

バカだ…下なんて向くんじゃなかったぜ

はあ…と溜息をついてボードを置いて砂浜に腰を下ろした

「やっぱ、ナンパなんてしようとするもんじゃねえな…」

もう一度深い溜め息をついてボードを取ってから、俺は海へと引き返した

砂浜の先の歩道に、もう人の気配はなかった―…


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