波乗少女

□one surfing!
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晴天…今日も沖縄はすこぶる天気が良い
いつもの事が何となく嬉しい今日
こんな日は良い事が有りそうな予感がしていた

あいつに逢うまでは―…

私はサーフィンが好きで、いつも家から近い浜辺で波に乗っていた

今日も朝飯を食べて、水着の上にTシャツと短パンを履くと、ボードを持って家を出た。

『今日は良い波が来てそうだな』

ルンルン気分で行った私だったけれど、そこで待っていたのは
いつもの人がいない静かな浜ではなく
20代くらいの男が数人騒ぎまくっている浜だった―…。

『何あいつら…』

此処は特に有名な浜って訳ではない、地元しか知らないし波が高いから観光客も滅多に来ない。
だから私のお気に入りのポイントだったのだけど

『しょうがない、別の場所探そう…』

見たところ観光客っぽいし、明日になれば居なくなるだろう

見つかったら面倒だろう、と私は静かに元来た道を引き返した。

ボードを持ったまま歩道を歩いていると…ざざーん、と大きな波の音と
テンションの高い男の声がした

『……?』

ふと声がした方を見やる
日に焼けた褐色の健康的な肌と、明るいピンクの髪をした男が波に乗っていた。
空の青とピンク髪のコントラストがとても映えている

私は思わず見とれてしまった。
コントラストもそうだけど、心底楽しそうに乗っている男の笑顔から

目が離せなかったから―…。

どれくらいそこに佇んでいたのか、正直覚えていないけれど

男がボードを持って海から上がってきた頃、私は逃げるようにその浜を後にしていた。

『な…何見惚れてたんだろ、私…』

いや、見惚れてない!
ただサーフィンが上手かったから見ていただけだ

そう…ただそれだけだ、だから…
私は熱くなった頬を誤魔化す様に、海へと潜った―…。

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