Short
□獣を飼い慣らすのは容易じゃない
1ページ/4ページ
(高杉視点)
天女がいた。
いや、正確に言えば、天女のように美しい女がいた。
むさ苦しい男共が蔓延るこの攘夷志士達の中に、たった1人の女が。
そいつは神懸かったように強かった。
“黒巫女”なんて呼ばれ、艶やかな黒髪を靡かせて戦場を駆け抜けていた。
だからだろうか。
同じように敵味方の間で異名を轟かせている奴と仲が良かった。
忌々しい。
何であんな奴と。
腹の内が全く読めねェ奴が、俺は嫌いだ。
なのに何故、何故、美咲は銀時なんかと親しくする。
腹立たしい。もう我慢できねェ。
夜、廃寺の一角ですやすやと眠る美咲の前に、俺は立った。
「…恨むなら銀時を恨め」
俺は手に持っていた布切れを美咲の顔に巻き、目隠しした。
『っ!だ、誰?』
さっきまでぐっすり寝ていたはずの美咲が起きた。
戦時中だからか、神経が鋭くなっている。
俺は無言で口付けをした。
『んん!?んっ、ふぁっ』
容赦なく舌を美咲の口内に挿入し、中を犯す。
美咲は苦しそうに顔をしかめ、俺の肩を押し退けようとした。
弱ェ。
黒巫女ともあろう者が、こんな腕力じゃ俺からは逃れられねェよ。
俺は口を離し、切れた息を整えた。
美咲は少し咳き込み、震える唇で言った。
『銀時…?銀時なの?』
.