銀色の心と共に
□No.6
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「あ゙、あ゙〜…」
『ゔっ…』
私と銀さんは唸っていた。
多分、銀さんも私と同じ気持ちになってる。
「『気持ち悪い」』
ほらね。
ここ最近の出来事がリアルに描かれている漫画。
あまりにもリアル過ぎて気持ち悪い。
きっと、銀さんもそうなのだろう。
「コレ、オメーが作ったんじゃねェだろうな?どんな嫌がらせだよ」
『そんなことしませんよ。そもそも私、漫画描けませんし』
「よりによってこんなモン持ってトリップしてくるなんざ…」
『私に言わないでくださいよ。でも、丁度良い身分証明にはなりました』
ここまできたら、もう、もう、認めるしかない。
私は漫画のキャラ。
漫画のキャラが別の漫画へ迷い込んでしまった。
信じられないが信じるしかない。
面倒くさいことこの上ないが。
神様は一体何がしたいんだ。
「面倒くせェことなっちまったなァ…。んで、どうするよ?戻り方分かるか?」
戻り方?
知っていたらとっくに戻ってる。
『分かりません。頭痛がして座り込んでいたら、いつの間にかこっちに居て…』
「マジでか…」
頭痛が起こった時、私は周りの景色を見ていなかった。
多分、頭痛が起きた時に、トリップが始まったんだろう。
…ってことは、もう一度頭が痛くなったら、戻れるのかな………?
考え込んでいると、銀さんはジャンプを閉じて、立ち上がった。
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