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□桜ノ雨
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  桜ノ雨



今日は卒業式だ
彼女、初音ミクはもう一度自分の過ごしてきた校舎を見て回る

初めて見たときは大きかった校舎、校庭
それは決して校舎や校庭が大きくなったのではない
それはミクが過ごした時間を校舎や校庭が物語っている物だった

3年前のあの日私たちは少し大きめの制服を身にまとい入学してきた
どの部活に入るかどんな先輩がいるのかで胸が凄いドキドキした...
土埃をあげて一生懸命校庭で競った体育祭
机の上に落書きをして怒られた事もあったな

ミクは自分が座っていた机をなぞりながら

「卒業か...」

とつぶやいた
ミクは教室の窓を開ける
ガチャと音を立てながら窓が開く
その窓から桜の木は手の届く位置にあった
ミクは手を伸ばし桜の花びらを1枚
手に取る
ミクはその花びらを胸に抱き寄せ
涙を少しずつ流した
その涙は
ミクの頬を滑りながら
教室の床に
静かに降り注いだ
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