小説
□音楽と私
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自由は僕のテーマであるし憧れているものでもある。
古くは映画音楽からロックンロール、クラシック音楽など僕の音楽の趣味は広い。
「先生は小説の執筆の合間は何をなさっているんですか」彼女は豊かな胸をTシャツから覗かせながら言った。
「CDを聞くか喫茶店でコーヒーを飲んでいるよ」私は言った。
私と彼女はレストランで食事をしていた。
適度に太い彼女の脚が僕にいい印象を与える。
「CDというと」
「クラシックとか洋楽だよ」
「それはいいですね」
「文章の芸術です。詩と小説は。僕は好きです」
「いつ頃から書きはじめたんですか」
「小学校、中学、高校の頃からだよ。あと社会に出てから。詩とか、あと小説。文学を大事にすべきだ、詩と小説」
「比呂田優というペンネームはどうやって考えたんですか?」
「自然に浮かんだペンネームだよ」
「今度、ライヴを聞きにいきませんか」
「生演奏ですか」
「チケットが二枚あるんです、フォークソングのグループの」
「行きたいな」
「あさっての夕方7時です、車で迎えに行きますわ」
「ありがとう、行くよ」
「よかった」
「ライヴはいいよね」
僕と彼女は食事を終えレストランを一緒に出た。
レストランでの芸術鑑賞から一時間後、僕は自分の自宅にいた。
CDを聞いていた。
ロックのCDを聞いている。
僕の心の人生は続く。
(おわり)