零崎婆識の関係

□零僕前提
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「のぅ人識」
「何だよ婆様」
「お前、恋人が出来たそうじゃの」

婆様は俺を見てにやりと笑う。
何か裏があるのはいつもの事だが、その裏が読めない以上はどうしようもない。

「……紹介しねぇからな」
「ふぉっふぉっふぉっ、そうかい。」

相変わらずの表情。お前の事は全部見通していると言われたようで少しいらついた。
それが婆様に伝わったようで、にぃ、とさらに顔のシワを歪ませる

「匂宮のはもうええんか?」
「あいつはもともと友達だよ」
「はぁん、じゃあやっと本命かのぅ?」
「………そうだよ、悪いかよ」
「愛しとるんじゃろ?」

見透かしたような目
俺は他人が理解出来ないし他人からも理解されないのが悩みだけどこの人の前じゃ形無しのようだった
何と言うか、経験の差

「……………愛してるさ」

と、その時婆様はにたりと笑い、携帯電話を取り出して通話し始めた
は?携帯?

「らぶらぶじゃのう、いー、ふぉっふぉっふぉっ」
「えええ?!ちょ、電話の相手いーたん?!!何故知ってるいつ知った?!」
「あいつとわしはめるともじゃ。ふぉっふぉっふぉっ」
「な、なんだって?!!最近の老人はハイテクだなーじゃなくて婆様その携帯ちょっと貸してくれ!」

婆様から電話をひったくる。と、そこには聞き慣れた声がいた

『あれ、零崎?びっくりしたぁ…』
「こっちがびっくりだよ!メル友ってどういう事だ?!」
『んー、なんか電車で席譲ったらこうなった』
「はぁ?!どうして教えてくれなかったんだよ?!
『婆様自分から伝えたいって言ってたから』
「やり方ってもんがあるだろ…」

何言わせんだあのババァ
直接いーたんに愛の言葉を言う方がいいに決まってんだろ

『…でも、ぼくは…』
「何?」
『零崎が隠したりしてないんだって知って嬉しかった」
「そ、そりゃ、まぁ俺の自慢の恋人だからな!聞かれれば答えるさ。わざわざ教えたりしないだけで」
『人識』
「はい?」
「ぼくも愛してる」
「!!!」

ぷつん、と。
いつもあいつが赤くなって目を逸らした時みたいに、その電話は切れた。
気がつくと、目の前には満面の笑みを浮かべたババァ、いや婆様。

「よかったのう」
「余計なお世話だ」
「らぶらぶじゃのう」
「当たり前だ」
「わしもあと50若ければ口説けるのぅ」
「ふざけんな、あいつは俺のだ」
「そうかいそうかい」

にやにやと笑いながら婆様は去っていった

「ふぅ……参った参った参りました」

何と言うか本当に

「…傑作だぜ」



(あの人だけには敵わない)






+++
婆様はお茶目。
ていうかなんだこれ…
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