春風

□story 2
3ページ/4ページ




「これでも食え」

どれくらいの時間がたっただろうか。
俺は『そういえば腹へったなぁ…なんか無かったっけ…あぁ、お菓子(ポテチとクッキーと桜餅とお茶←ナイスな洋と和のコラボだろう?)を持ってきてたっけ』ということを考えていた。
重たい話の後になんだが、俺は切替が早い方なのだ。
で、冒頭の「これでも食え」に戻る。


「これはなんだ?」

春風にお茶を入れてやっていたら、春風がポテチを指さして言った。

「これはポテチと言って、ジャガ芋を薄切りにして揚げた物だ。うす塩で旨いぞ」

そういうと、春風はポテチをつかんで食った。

「バリボリボリ…もぐもぐ…」

「どうだ?」

「まぁまぁだな」

そう言って、そっぽを向きながら、手はまたポテチをつかんでいる。

「あ、」

俺は気づいた。

「なんだ?」

「ふふ、なんでもないよ」

春風は自分の思ってる事と違う事を言う時と、照れている時、"そっぽを向く"のだ。

また一つ春風の事を知って、また一つ嬉しくなった。

俺達はポテチを食い続け、春風が「クッキーと桜餅は知っているし食った事もあるんだぞ!」というよくわからない自慢を聞きながら、泣きそうなくらいあたたかい日差しの中、他愛もない会話を飽きるまでした。






次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ