黒薔薇の光
□15輪目.気だるい朝
1ページ/2ページ
「・・・・最悪」
目覚ましに起こされて布団を出る。
寝覚めは最悪
理由は言わずもかな、夢のせいだ。
それに、体がだるい
新月のせいだ。
月神と契約した副作用
まあ、仕方が無いので放って置く
さっさと身支度をして居間へ向かう。
食欲もわかないので適当に冷蔵庫から飲み物取り出して、棚にあるバナナも一緒に口に入れる。
カバンの中身を確認して、最後にポケットの中にハンカチとロッド・・・・という名のチャームがあるかを確認して靴を履く
窓は開けてなかったはずだ。
「行って来ます」
返事が帰ってくるはずも無いのに、なんとなく期待してしまう。
それもこれもあの夢のせいだ。
外へ出ると、いつもは一緒に登校する桐と慎がいない。
そういえば、桐が日直だから仕事をサボらないよう見張るため早く行くと慎が言っていたような気がする。
しっかりものの兄を持って、桐は幸せだな・・・・
慎の方はあまり嬉しくないかもだけど
そんなことを考えているとまた夢のことを思い出す。
嫌になる、本当に。
一人ため息をつきながら、重い足を動かして学校へと向かった。