黒薔薇の光


□14輪目.悪い夢
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声がした。


幼さの残る、少年の

懐かしい、明るい声。


?「美怜!」


名前を呼ばれて、ゆっくりと目を開ける。


そこには、やはり懐かしい一人の少年の姿があった。

癖のない黒髪、キラキラ輝く黒い瞳

声と同じく、幼さの残る少年


その少年は、濃いグレーの学ランを着ていて

こちら側を覗き込んでいた。


少「ったく、何時まで寝てんだよ


  遅刻するぞ!」


そう言ってまた、名前を呼ばれる。

            ・・・
親につけてもらった、私の本当の、名前


そのまま腕を引っ張られ、無理矢理ベッドから引きずり出される。




あぁ、懐かしいな


そう思えてしまうから、妙に自分が年をとったように錯覚して、薄っすらと笑う。



すると、聞きなれた懐かしい声で少年はまた私を呼んでくれる。


少し、眉を寄せながら、でも口元は緩めて“なんだよ、ニヤニヤして 気持ち悪ーぞ!”って



だから、こちらも言い返す。


「誰が気持ち悪いって?」


口調はきつめに、でも、顔は明らかに怒りを表すそれじゃくて

まるで、じゃれているような

そんな感じ




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