黒薔薇の光
□9輪目.体育祭 準備編
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「おーい こっちだこっち!」
9月になった今日この頃
並中は体育祭一色だ。
そんな中美怜も準備にとび回っていた
・・・美術分野で。
練習はいいのか、という疑問は無視だ。
というか、美怜は運動ができる方ではないのだ。
出る種目はせいぜい1,2個 もっぱらの裏方である。
「ふー 結構難しいな・・・」
絵の具のついた手で汗を拭う。
筆を手にするその表情は真剣そのもの。
今、美怜は体育祭で使う看板を作っていた。
まだ木の肌が見えている看板には鉛筆で“体育祭”と大きく下書きされていた。
ほかにも各チームのスローガンにちなんだ絵が描かれている。
美怜は主力の美術部や3年生の美術系の人達に混ざり腕を振るう。
元芸術研究部の実力を駆使して看板を丁寧に、それでいて着々と、完成に近づけていく
そうして時は過ぎていった
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