黒薔薇の光


□17輪目.新月の事件 後編
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?「フフフ 見つけたぞ」


ツ「?」

 「!?」


突如聞こえた男の声

窓を見ると、そこから声の主と思われる30代かそこらの男が居た。


金髪に碧眼

おそらく西洋人だろうその男

その顔に、美怜は見覚えがあった。



 「・・・・ベルゼ」


?「久しぶりだな、黒野凛」


ツ「知り合いか? 美怜」



問いながらも、視線はベルゼから離さない

美怜の声から察したのか、それとも二人の間の不穏な空気を感じ取ったのか

おそらくどちらもだろう



 「ベルゼ・・・・

  ローゼンファミリーと敵対する中小ファミリーのボス」


ツ「え・・・・」

ベ「中小というのは納得いかないが・・・

  フフ、そういうことだ。



  だが・・・ わざわざ新月の日を狙ってきたというのに、両翼だけでなくボンゴレまで居たとは誤算だった。」

ツ「新月・・・?」


疑問を浮かべるツナ

それに対し、美怜は少し考えてから何かに気づくように表情を変えた。

同時、その表情もさらに険しくなる。



 「! ・・・まさか

  何であんたがそれを知ってるのよ!!」


べ「何でも何も、ディアナの能力を使ったのはお前だろう

  後で調べれば、それぐらいのことはすぐ分かった。」



資料・・・・

確かにこいつらとはもう何代も前から敵対していると聞いた

過去に接触した時の資料でも残っていたのだろうか?


無い頭を必死で働かせる。

同時、知られてしまったという事実に途端に不安が押し寄せた。



ツ「どういうつもりか知らないが、来るなら相手するぜ?」


心情を察してくれたのか、ツナが庇う様に前に出、目の前の敵を睨み付ける。

・・・もしかしたら、顔に出ていたのかもしれない



べ「・・・いや、遠慮しよう

  ローゼンだけならまだしも、ボンゴレまで相手にする程の力も、時間も無い」


言って、ベルゼは窓の枠に足をかけた。

よく見れば外には数名の部下らしき人影


保健室は一階だ。窓からの侵入も簡単だったんだろう。


べ「それでは、また会おう

  黒野凛」


言って、窓から出て行く。


ツ「二度と来んな クソジジィ

  美怜、大丈夫か?」


ゆっくりと、やんわりと

頬に触れられる。

その後、手はそのまま頭に乗せられ、優しく撫でられた。

そんな悪態を聞きながらも、美怜を気遣ってくれる。



そんな気遣いが、とても嬉しくて

緊張が、解けていく


それでも、触れられた部分は、やはり熱かった。
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