黒薔薇の光


□14輪目.悪い夢
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少年を部屋から追い出して、制服に着替える。


グレーのセーラー服


スカートは少し長め

膝した5センチくらい

校則に沿った、正規の制服


髪をまとめて、部屋を出ようと扉を開ける。

しかし、そこは何もない、真っ暗な暗闇だった。


いや、違う。

奥のほうに、誰かいる。


ゆっくりと近づく

そこにいたのは、先ほどの少年だった。


俯いて足元を見つめ、そこに佇んでいる。



 「どうしたの?」



思わず尋ねた。

すると少年は、何も言わずにゆっくりと顔を上げる。


髪に隠れて見えなかったその顔が徐々に見えはじめる。



 「・・・・・・・っ」


言葉に詰まってしまった。

目を見開き、その顔を凝視する。

瞬きは、出来なかった。



頭から血を流し、その血で額に前髪が張り付いてしまっている。

口の端からも血が流れ、右目は充血し、真っ赤に染まっていた。

頬にも青痣があり、痛々しい姿の少年は、こちらを睨み、ゆっくりと、口を開く。


その口から紡がれる言葉を、発せられる声を、聞きたくなくて耳を塞ぐ。


耐えられなくなって、叫んだところで、目が覚めた。




「夢・・・・か。」

寝汗がひどい

シャワーを浴びようかと迷って、結局タオルで汗をを拭った。


あの悪夢

最近あまり夢見が良くない

嫌な予感がする。

何かが、起きようとしているのか・・・・


考えても仕方がない、自分に予知能力がある訳ではないのだ。


そういえば、明日は新月だな・・・・

新月は、月神・ディアナが弱る日

そして、それは自分の体にも影響する。


それを、憂鬱に思いながら、私は再び眠りに落ちた。
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