-詩&短文‐

□2009 summer
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〜夏祭り〜

シャーン… シャーン…
遠くの方から鈴の音が響く

カラン… コロン…
足下からは下駄の音

ドーン… パラパラ…
大きな火の花が咲く



「さぁさよってらっしゃい見てらっしゃい!
今日は年に一度のお祭りだぁ!」


威勢のいいおっちゃんの声に押されて喧噪の中に入っていく
色とりどりの浴衣と豆電球の柔らかな光


あちこちから激しい呼び子の声がする
綿あめやりんご飴の甘い香り
焼きそばやたこ焼き屋の屋台から
少しだけ焦げたソースの匂いも漂ってくる

「お腹すいた…」


待ち合わせ場所に着いたけれどまだ早い
空腹感に耐えかねて焼きそばを一つ買って食べる


「…うん、おいしい」


焼きそばを完食して待つこと数分
ようやく待ち人達が来た
何人かの手には綿あめや水風船
どうやら遊びながら来たらしい


「遅いよ」
「悪い!これやるからさ」


機嫌直せよ
そう言って渡されたのは
小ぶりのりんごが入った赤い飴

「…じゃ許す」

さっそく包みを破って食べる
周りはほっとしたのか苦笑い


「よし!行こうぜ!」


さぁお祭りはこれから…
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