-詩&短文‐
□オリジ
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〜カノカレ〜
いつも
くだらない言い合いで別れてた
それが俺らの日常で
“別れ”なんて思っていなかった
ただほんの少しだけ
“別行動”するだけで
長くても六十四時間後には
また会えると思ってた
それなのに
たった三時間離れてるだけなのに
もう君の顔が見たくなる
携帯を開いて、閉じて
声が聞きたい。
声だけじゃ足りない。
顔が見たい。
写真なんかじゃ足りない。
『馬鹿みたい』
なんて君は言うだろうか
さっぱりした君の性格なら
何となく、言いそうだ
―――よし
うだうだするのは終わり
3回で出なかったら諦めよう
[ヴーッ]
「っも、もしもし!?」
『あ、ごめん。今大丈夫?』
「だ、大丈夫…」
大丈夫じゃないのは心臓だけ
『何かさー、声だけでも聞きたくなって』
「……りない。声だけじゃ、足りない」
『んー。普通は立場逆じゃない?』
「そうかな。……そうかも」
『うん。まぁ、これが私らだし』
「あー……今、自分すっごい女々しい」
『いいんじゃないの?そしたらその分』
「え……?」
声が途切れて、吐息が聞こえた
次に届いたのは彼女の声。でも
『こっちが傾いてあげるから』
低くて艶のある、そんな声。
「それ、反則」
『あはは。あ、そろそろ寝なきゃ。また明日』
「ん。また明日」
[ぷつっ]
切れた携帯を見て溜息
ああ、ホント彼女には敵わない
さっきまでのモヤモヤなんて
全部ふっ飛んだ
―――あ、でも
「最後のは……マジ、反則」
耳に残るあの低音が
物凄くエロく響いた、なんて
(言ったら怒るかな)
(…むしろ喜びそうだ)
―――――
こんな彼氏いたら激しく萌える←