-詩&短文‐

□埋もれたA
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〜Killin' Doll〜

私は人形 そうよ
貴方に従う忠実なる下僕(シモベ)
誓う姿は犬にも似て
少しでも背けば地面にキスをするの

置き去りにしてきた感情は
もう繕える場所すらも無いみたい
変ね おかしいわ
渇いているはずの瞳が潤んでいるの

貴方が穿てと言うのなら
私は何度でもトリガーを引きましょう
躊躇う事無く命を奪う為に
冷たい金属が死の音を奏でるのよ

私は人形よ
貴方に従う事しか出来ないの
だから私の心を抉らないで
もうこれ以上傷つく事すら出来ないから

闇に囚われるわ
もがいても何もかもが遅いの
剥き出しにされた感情が
叫んで絡まって苦しいの

咲き誇った花を無残に千切った
漂う甘い香りは胸を焦がした
ねぇこれは何?
こんなのはプログラムされていないわ

貴方がそれを唱える度に
私は罪を嘆いているの
刻み込まれたバグは
慟哭を与え続けていく

貴方が穿てと言うのなら
私はトリガーを引きましょう
でもそれはもう最後
残された弾丸は2つだけ

1つは貴方の心臓に
1つは私のコアに
それが私の最初の意思
それが私の最後の意思

私はキリング・ドール
壊して殺す為だけの人形
私はキリング・ドール
かつて貴方を殺した人形よ








――――
知っている人は知っている。
あえて何も言いません。補足もしません。
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