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□らいにゃん(2/27)
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〜グラン=パルスでのある朝〜
ヴァ「ん〜良い天気!!今日も頑張るかぁ」
ルシ一家の中で一番早く起きたヴァニラが伸びをしていると背後で誰かが起きる気配がした。
ヴァ「ん?あ、ライトおは……って!!えぇ!?ど、ど、どうしたの、その耳!?!?」
なんと起きてきたライトニングの頭上には、まぎれもなく猫耳と思しきものが付いている。
しかもよく見ると、背中の後ろでは尻尾のような、というか尻尾がひらひらと緩やかに揺れていて、さらにどこがどうなっているのか手首の少し上くらいから完全に猫の手になっている。
ラ「…起きたらこうなっていた」
ライトニングがどこか不機嫌そうに答えた時、頭上の猫耳がぴくりと動いた。
ヴァ「っ!!///」
ラ「ヴァニラも驚いているということは、グラン=パルスでもありえないことのようだな」
ヴァ「は、初めて見るよ。ねぇ、それ取れないの?」
ラ「何度か引っ張ったがダメだ」
ヴァ「さ、触ってもいい?」
ラ「…あぁ」
ヴァ「(ドキドキ)」
つん
ピク
…つんつん
ピクピクッ
ヴァ「(*´Д`*)ハァハァ」
ラ「ヴァニラ?」
ヴァ「あっ、な、なんでもないっ!!…手なんか完璧猫になっちゃったね」
ラ「耳と尻尾は少し邪魔なだけだが、手がこれでは何も出来そうにないな」
ライトニングは不便だ、と付け足して溜め息をついた。
ヴァ「この肉球が邪魔で物も掴めないもんね」
ぷにぷに
ヴァ「(柔らかい)///」
ぷにぷにぷにぷに
ヴァ「(*´Д`*)ハァハァ」
ラ「ちょ、ヴァニラ。少しくすぐったいん…」
ヴァ「し、尻尾もいいっ!?ハァハァ」
ラ「(なんか怖い;)…あ、あぁ」
さわ
ラ「っ!!」
ヴァ「?」
さわさわ
ラ「ふっ…ん///」
ヴァ「っ!!!!!!!(鼻血ドバッ)」
ラ「ヴァ、ヴァニラ!?大丈夫かっ!?!?」
ヴァ「ぐ、ライト、反則…!!(バタッ)」
ラ「ヴァニラぁぁあ!!!!(耳ピクピクピク)」
外の騒ぎで起きてきたファング。
ファ「んだぁ?うっせーなぁ」
ラ「ファング!!ヴァニラがっ!!!!」
ファ「なっ!!ヴァニラぁ!!ライト、ケアルだっ!!」
ラ「はっ!そうか!!」
ライトニングが呪文を唱えると、緑の淡い光がヴァニラの体(主に顔面)を包む。
ヴァ「……ん、んぅ」
ラ「ふぅ、もう大丈夫だな」
ファ「ったく!!何やってたん……ん?」
さっきまでヴァニラに夢中だったが、安心した今ピクピクしたものとひらひらしたものが目の端でちらついた。
そういえば、さっきケアルをかけていたライトの手元にもなにか違和感を感じたような…。
ファ「な、ななな、なんだそりゃー!!!!」
ライトニングの姿をしっかりと目に入れたファングが叫んだ。
あまりの大声にライトニングは溜め息をつきながら本日2度目の質問に答える。
ラ「朝起きたらこうなっていた。引っ張っても取れないぞ」
ファ「…猫じゃねぇかぁぁああ!!!!」
ラ「…うるさい(ピクピク)」
ファ「うっ////」
ヴァ「ね、ファング。私の鼻血の理由分かったでしょ? 尻尾触った時はも〜っと可愛かったんだよ♪」
すっかり回復したヴァニラが、ライトありがと、と言いながら上半身を起こす。
ラ「っ、もう誰にも触らせる気はないっ」
頬を微かに染めつつも、キッと睨みながら鋭い爪を見せるライトニング。
ファ「ちっ」